取引価格決定に影響を及ぼす要因と対応策

取引価格の決定に影響を及ぼす要因には、内部要因と外部要因があります。それぞれについて、詳細と対応策を見ていきましょう。

内部要因の詳細と対応策

取引価格を変動させる1つ目の要因は、内部要因です。以下のような項目があります。

  • 仕入れ価格の変動
  • 売上・利益(適正価格)の維持
  • 商品特性(品質レベル向上など)
  • 企業努力(短納期、安定供給など)

内部要因への対応策は、価格の根拠を明確にすることです。たとえば以下のような対応策が考えられます。

  • 仕入れ価格などコスト・データ提示
  • 簡易原価計算などに基づく、数字を用いた交渉
  • 交渉経緯・決定事項の文書化
  • 品質や技術力など、強みのアピール

データ・数字の根拠を明確にし、必要に応じて提示することで、価格の妥当性を説明することが重要と言えます。

図1:内部要因の詳細と対応策

図1:内部要因の詳細と対応策

外部要因の詳細と対応策

取引価格を変動させる2つ目の要因は、外部要因です。以下のような項目があります。

  • 競争(市価比較)
  • 外的環境変化
  • 取引先からのコストダウン要請
  • 発注量減少(量産収束)
  • 取引条件にない妖精

内部要因への対応策は、取引ルールを明確にすることです。たとえば以下のような対応策が考えられます。

  • 条件変更時の見直事前合意
  • 交渉経緯・決定事項の文書化
  • 多くの販売先(取引先)の確保
  • 妖精応諾/拒否の仕方

外部要因は自社でコントロールすることが難しいため、外部との折衝ルールを決めておくことが重要です。また、取引先との合意を文書化したり、販売先を多く持つことで交渉を有利にしたりすることも効果的です。

図2:外部要因の詳細と対応策

図2:外部要因の詳細と対応策

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野中帝二
暗黙知の可視化や形式知メソッドをお伝えすると共に、伝承コンサルで体験した陥りやすい課題を解説し、可視化や付加価値向上に向けてどのように対応すべきかを解説致します。さらにワークショップを通じて形式知メソッドを体験して頂き、実務での活用にむけた実践力を醸成致します。暗黙知の可視化や形式知化に関心のある方はぜひご検討ください。

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