営業力強化のための重要顧客の見極め

有望顧客の選定

まずすべきことは、営業ターゲットとなる有望顧客の選定です。有望顧客の選定は、次の手順で行うことが有用です。

  1. 利益率の高い顧客の見極め(新規・既存顧客、売上規模などを俯瞰)、当社の強みの把握
  2. 有望顧客内でのシェアを想定
  3. 販売戦略の検討(対象顧客、アプローチ方法、拡販ツールなど)

そのためには、基礎情報の蓄積を行うことが必須です。次の章から、基礎情報の把握について見ていきましょう。

営業基礎情報の把握1:売上金額と粗利高(利益率)

売上高と利益率から、優良顧客を見極め、優良顧客内でのシェア拡大策を検討しましょう。もちろん、売上高と利益率が低い顧客にも、有望顧客がいないかの検証は必要です。

図1:売上高と利益率から優良顧客を見極める

図1:売上高と利益率から優良顧客を見極める

営業基礎情報の把握2:当社選定の理由

新規顧客には、当社の選定理由を確認しておきましょう。なぜなら、顧客の生の声から、当社の「強み」を確認できるからです。この強みを会社案内や自社Webサイトに掲載したり、営業活動時にアピールしたりすることは大変効果的です。また有望顧客へのアプローチ方法を検討する材料にも使用可能です。

もし、顧客から聞いた強みが想定していた強みと異なる場合、戦略や営業方法の見直しが必要といえます。

顧客への質問項目例を、以下に挙げます。

  • 当初、何に悩んでおられましたか
  • どのように当社を知られましたか
  • 同業者の中で、何故当社を選ばれましたか
  • 発注決定までに躊躇(ちゅうちょ)はありましたか
  • それはどのように解消しましたか
  • 何が発注の決め手になりましたか
図2:新規顧客への質問

図2:新規顧客への質問

営業基礎情報の把握3:その他

上記で挙げた項目以外にも、把握しておきたい基礎情報があります。

  • 会社名・商品名・売上月
  • 後清算
  • リピート回数
  • 取引開始年月

などです。これらの情報は、図3のような表にしてまとめておくと良いでしょう。

図3:営業基礎情報のリスト例

図3:営業基礎情報のリスト例

The following two tabs change content below.
野中帝二
暗黙知の可視化や形式知メソッドをお伝えすると共に、伝承コンサルで体験した陥りやすい課題を解説し、可視化や付加価値向上に向けてどのように対応すべきかを解説致します。さらにワークショップを通じて形式知メソッドを体験して頂き、実務での活用にむけた実践力を醸成致します。暗黙知の可視化や形式知化に関心のある方はぜひご検討ください。

関連記事

  1. モノづくりのCOVID-19対策│在庫期間情報を応用したSCM

  2. 【知財の持つ価値】共同開発|知財経営の実践(その16)

  3. コーポレートアイデンティティ(CI)|キーワード辞典

  4. 鉄鋼製品の良否を判定する顕微鏡組織試験

  5. 石田コラム_近年の機能安全の考え方~機能安全コラム3~

    近年の機能安全の考え方~機能安全コラム3~

  6. 取引価格決定に影響を及ぼす要因と対応策