MAPS(マップス)
問題の発見にとどまらず、それを解決する実行計画まで立ててみる。その一連の手順を通して問題解決の能力向上をはかる体系的な訓練システムのこと。
MAPS誕生の背景との適用問題領域
ここに紹介するMAPS(Management Problem Solution System)とは、実際に企業がかかえている生の問題を材料として、それらをどのような手順や方法で解決していけばよいかを、体系的。実践的に修得させる訓練プログラムである。その特徴は、長年のコンサルティング経験を通じて、実際に実用に耐えるものに限定し、その使用場面を使用経験から体系的に整備して体得させるところにある。
大企業であれ急成長企業であれ、企業は生きものであるがゆえに様々な問題をかかえている。それらの問題のほとんどは、「わかっているけれど」解決されないで放置されている。その原因を追求してみると、図のような四つの障害に起因していることが多い。
たとえば、①折角の対策も、関係部門の賛同が得られないので実施されていない、という「コミュニケーションギャップ」、②問題はわかったがどう解決すればよいのかがわからない、という「テクノロジーギャップ」、③問題の煮つめ、対策立案、実施をするには、その適任者がいないとか、忙しくて時間がないといった「マンタイムギャップ」、④何はさておき、今は金がないのでできないという「マネーギャップ」であることが多い。
MAPSの手順と特長
MAPSは「問題提起」→「問題研究」→「対策構想立案」→「構想の評価と選択」といつ手順を踏む。それぞれの段階ごとに、ブレインストーミング法、デルファイ法、ALS、PERT法など、広く世に知られている技法を実践に使える形で選択的に取り入れている。しかも、MAPS手法では、これら問題解決の場面をより現実に近づけるために、つぎのようなルールを意図的に織り込んでいる。
(1)マネジメント上の制約条件をふまえた上での発想問題解決手法が、現実のマネジメントに活用できるかどうかは、ビジネス社会での制約条件下で課題を解決してゆかなければ意味がない。たとえば、MAPSではつぎのようなルールを適用する。
・時間制限のルール
・問題表現法制限のルール
・検討項目優先順位決定のルール
・発言公平のルール など。
また、MAPSでは、組織の知的生産性を高める方法として、「個人研究」→「ペア研究」→「グループ研究」という検討ステップを踏む。これらは発想の相乗効果を狙って、討議のルールをシステム化しているところに特長がある。
(2)問題解決の阻害要因を徹底して矯正する問題解決能力向上を阻害している要因には、「問題が正しく表現できていない」ということに起因している場合が少なくない。
日本人共通の欠陥として、表現そのものが抽象的になったり、対策や願望が混乱して述べられる。問題の解決を阻害する「コミュニケーション・ギャップ」はほとんどこの次元で生じているといってよい。訓練を要するところである。今一つの問題は、「問題が掘り下げられ、具体的な原因をいい当てるレベルまで掘り下げられていない」ということである。具体的な深層分析がなされているかどうか、対策の具体性。納得性はこれに依存していることが多い。
問題を現実のものとして解決していくためには、この二つの訓練ははずせない。MAPSではこれらの点を反復訓練できるように仕組くんでいる。
koushiru事務局
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