技術マトリックス
新製品・新事業の種さがし(企画・探索)あるいは研究開発戦略策定のための、戦略分析手法のこと。
技術マトリックスとは
企業戦略の中で研究開発の重要性はますます増大してきているが、技術戦略、経営戦略、マーケティング戦略との整合性が必ずしも十分でなく技術戦略が有効に始動していないのが現状であろう。
技術立社が今後の成長の基本戦略である日本企業にとってマネジャーが技術戦略、経営戦略、マーケティング戦略とのカップリングを計る戦略的管理技術が必要になってきている。技術マトリックスとは、新製品新事業企画探索コンサルティングを通じて確立された戦略手法であり、個々の分析手法は60以上になる。
従来の新製品。新事業探索は、トップの長年の「カン」とか「ひょうたんからこま」のウエイトが高い。しかし、今後の市場の成熟化、先端複合技術革新、異業種混合時代は、「カン」のみでは通用しないし、「犬棒式」アプローチでは成功確率は低い。今後の事業機会、自社資源、競合、経営ビジョン等の戦略要素を定量的に分析し、それぞれを統合化するステップで、戦略的アイデアクリエイティプの開発が必要となる。
日本企業の戦略手段としては、(1)PPMによるSBU単位の資源配分、(2)現事業のイノベーション、(3)将来の芽の育成、(4)TOB(買収)等があり、一枚のマトリックスで図示されるほど、実際のビジネスはスタティックではない。実際のビジネスは、多ファクターの複雑な絡み合いだが、技術マトリックスは、それぞれ、二軸のマトリックスで切ることによって、本質的課題を明確にしようとするものである。
技術マトリックスによる新製品、新事業企画探索
技術マトリックスによる新製品、新事業企画探索のポイントを紹介する。
(1)経営ビジョンから始まる
新製品。新事業探索を始めるにあたって、まず経営ビジョン(われわれの事業は何で、どうありたいか?)を明確にすることが、膨大な作業の効率化と成功確率を飛躍的に向上させる。
(2)製品構成のバランス評価
将来どうありたいかが明確にされると、つぎに現製品の位置づけがどうなっており、どの製品が金の木であり、どの程度のリスクなら耐えられるかを把握する。
(3)自らの経営資源を知る
先端技術産業など、日ぼしい成長市場があると、異業種も含め、新規参入が相次ぎ、市場はまたたく間に激戦市場に変わる。激戦市場の中で生き残っていくには、自社の力を活かしきれる分野への参入が成功の鍵。
(4)競合他社からKFSを探る
自社と同様の経営資源、経営環境をもっている競合他社が、どんな分野へ、どんな方法で参入し、成功しているかの分析から、事業上のKFSを探りだすことができる。
(5)変化の流れをつかむ
経営環境が、ダイナミックな変化を見せているが、変化は成功の母と考え、日先の一時的な変化に迷わされず、大きな流れをとらえることが必要。
(6)ガイドライン設定
前記分析にもとづき、①新製品探索のベクトル・距離、②候補分野戦略MAP、③売上日標・時期、等のガイドラインにもとづき、候補分野アイデア発想、重点分野のフィールド調査等のディープスタディを行い、苦しい旅が一段落する。
koushiru事務局
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