ビジネスにおいて、コストの改善は非常に重要です。売り上げを変えずにコストを下げることができれば、利益を伸ばすことができるからです。
製造現場におけるコストには、どのようなものがあるでしょうか。費目で見てみると、原材料費、副資材費、労務費、水道光熱費、修繕費、消耗品費などがあります。これらの内、特に大きいのが原材料費と労務費です。この2つについて、コストダウンのポイントを見てみましょう。
原材料費の低減
原材料費の低減には、2つのポイントがあります。
1つ目は、歩留まりの向上です。歩留まりの向上で考えるべきは、原材料の購入量が適切かどうかです。原材料の購入が多すぎると、保管費や、期保管による劣化・廃棄が発生する恐れがあります。そのため、生産計画に沿った最適な量を購入する必要があります。また、生産現場での不良・手直しや破損も歩留まり低下の大きな要因となります。製造現場でのロスを減らすように作業改善を繰り返すことが求められます。
2つ目は、購入単価の低下です。最も効果的なのは、複数のサプライヤーから見積もりを取る相見積もりを行い、最も安いサプライヤーへ発注する方法です。海外購入も視野に入れ、品質も考慮したうえで購入単価の低下に挑戦してみましょう。
労務費の低減
労務費の低減では、人員の適正化と工数の削減がポイントであり、作業改善と生産方式の見直しが有効な手段となります。今回は、生産方式の見直しについて紹介しましょう。
生産方式には、ライン生産方式とセル生産方式の2種類があります。ライン生産方式はベルトコンベアなどの周囲に作業員を配置し、流れてくる製品へ加工・組み立てを行う生産方式です。少品種大量生産に適した手法です。セル生産方式は一人もしくは少人数の作業員で製品を完成させる生産方式です。ライン生産方式と比べ、一人の作業者が受け持つ作業範囲が広く、多品種少量生産に適しています。
昨今ではライン生産方式とセル生産方式を組み合わせたハイブリッド生産方式を取り入れている企業が増えています。どの生産方式を採用するかは、自社の製品や人員などを考慮して決める必要があります、生産方式を工夫することで生産性を高くすることができれば、人員の適正な再配置や残業時間の短縮が見込め、企業としてはコスト削減を見込むことができるのです。
koushiru事務局
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