シリコンバレーの特徴とは?
シリコンバレーには1970年代より徐々に形成されてきたイノベーションを生み出すエコシステムが存在しています。このエコシステムには3つの主要プレイヤーとサポーターで成り立っています。
主要プレイヤーは起業家、大学・研究機関、ベンチャーキャピタルそして大企業です。サポーターは弁護士、会計士、コンサルタント、ヘッドハンター、投資銀行、調査会社などの起業文化をささえる機能をもったメンバーのことです。
また、このエコシステムを1つの建物内で再現したものがインキュベーターやアクセラレーターと呼ばれる存在です。
シリコンバレーのメカニズムは起業家が投資を受けて企業価値を高め、投資家へリターンする仕組みがなりたっています。
お金が集まるところに人・情報・技術の知の集積があり、そこへさらにお金があるまるサイクルが動いています。
全米のベンチャーキャピタルの投資の行き先をみていくと、45%前後の投資額がシリコンバレーへ投資されており、カリフォルニア州全体では全米の50%を超える金額が投資されていることになります。約3兆円の金額がシリコンバレーでベンチャーキャピタルより投資されていることになります。
シリコンバレーのカルチャーとは?
シリコンバレーの大きな特徴に独特のカルチャーの存在があげられます。
1つがオープンネスなカルチャー。
世界中の様々なところから優秀な人間が集まってオープンに意見を言い合える文化のことです。またクレイジーなアイデアを評価する文化を併せ持つことによりイノベーションを起こすカルチャーとなっている事が特徴です。
もう1つのカルチャーが失敗に対して寛容的であることです。5年で95%が失敗していく起業において、失敗しても次にチャレンジできる環境や、失敗を経験したことに対して評価できる文化が醸成されています。
2つの文化的な特徴がシリコンバレーのエコシステムを下支えしています。
■シリコンバレー発イノベーション
近年シリコンバレー発の変革が大きく取り上げられています。
iphoneに代表されるように、シリコンバレーのイノベーションは既存の境界線を打ちやぶり、従来からある企業の領域を破壊することが特徴です。
さらには近年、ディスラプションされる企業側の平均寿命が短くなっています。ここ15年で、S&P50の企業のうち52%が淘汰されています。1955年はS&P500の企業平均寿命は61年でしたが、2015年の平気寿命は17年となっています。
シリコンバレーは、他国で芽が出た最新技術を買ってくる点でも他の追随を許さない点になります。多くの地域、例えばイスラエル、イギリスなどから技術の芽が出てきて、シリコンバレーの企業がM&Aしている実態があります。
現金保有企業のトップ20のうち半数はシリコンバレーに存在しており豊富な資金を背景に企業買収を実行しているのです。分かりやすい事例としてはグーグルがディープマインドを買収した事例があります。
一方、何かがきっかけとなり、シリコンバレーへ最新の技術の芽を持ち込めなくなった際にシリコンバレーの優位性が大きく変わってくる可能性もあります。
koushiru事務局
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