なぜAIやIoT領域に特化するのか?
シリコンバレーでのAIやIoTの成長が活発になっている背景があるます。
シリコンバレーの投資家やベンチャーキャピタルは100社へ実施した投資を1、2社で回収するために活動を進めています。
1、2社で100社分の投資を回収するためには、よりスケールしやすい自動化などの領域へ投資を集中させる必要があるためAIやIoTなどの領域に必然的にお金があつまり、技術が進歩してきたためです。
グーグルのディープマインド活用の事例としては、2016年7月に自社のデータセンターの空調オプティマイゼーションへの活用例が出てきています。もともと効率的に運用されていたデータセンターの空調効率を、ディープマインドの技術を投入することにより、さらに40%も効率を向上させているのです。
この結果は電力使用効率のグラフで、ML(machine learning:機械学習)をONにした状態とOFFにした状態の違いが確認できます。
他ではディープマインドを活用したAlphaGoにより囲碁のチャンピョン イ・セドルを破った事例がありますが、実際にどの程度のプロセシングパワーがAlphaGoに投入されているかは不明なのです。
これはシリコンバレーの秘密厳守主義とオープンイノベーションの絶妙なバランスが見てとれる事例でもあります。
グーグルの次なる展開は安価な普及版AIの展開でしょうか。グーグルは今までも社内で試験運用したシステムを無料もしくは、安価に市場へ提供しており、ディープマインドも同様に安価もしくは無料にて市場投入されると考えられています。
普及版AIが出てきたときに何をオプティマイズさせるかが、次のイノベーションの主役になるのではないでしょうか。
シリコンバレーを活用するための裏話
シリコンバレーを活用するには現地のエコシステムに入り込むための知識が必要となります。
最後にスタートアップがどのような文脈で活動しているかをまとめました。
シリコンバレーの経済圏には豊富な人材リソースが存在しています。
また良い経験値を得た失敗に対しては貴重な経験として評価される文化がある。さらにはスタートアップを支えるビジネスインフラもしっかりしている点が特徴として挙げられます。
シリコンバレーのスタートアップは新しい技術やビジネスモデルで既存企業に対して破壊的イノベーションを起こす事がとても重要な目標になっています。
スタートアップはベンチャーキャピタルからの投資により急成長を求めらています。またスタートアップのビジネスにおける出口は、企業によるM&Aが圧倒的に多く、買収側の大企業もエコシステムを支える重要な存在です。
スタートアップの多くの立ち上げプロセスとして一般的なものが、科学者、技術者、ビジネスパーソンが新しい技術やアイデアをもち、スタートアップを立ち上げ、スタートアップが大企業になるもしくは企業に買収され、創業者や初期チームは次の企業の立ち上げや投資家へとなっていくパターンが非常に多く見られます。
そしてスタートアップは成長していく過程で創業者や初期のメンバーを放出していきながら活動を進めます。スティーブジョブスさえもAppleを一度やめていることは有名な話です。
またスタートアップは若い人(FacebookやGoogleのように)が立ち上げるイメージがありますが、実際は40歳前後でスタートアップの立ち上げを行うケースが一般的になっています。
日本人がなかなか活用しきれていないシリコンバレーを広く認知してもらうために本コラムを掲載しました。皆様の活動に参考になれば幸いです。
koushiru事務局
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