コーポレートアイデンティティ(CI)
デザイン開発を中心とした企業イメージを統合管理する経営手法。
コーポレートアイデンティティ(CI)とは
CIとは、デザイン開発を通じて、計画的に企業イメージをコントロールする経営技法である。
CIは、1950年代から60年代にかけてアメリカ、ヨーロッパ、オーストラリア等の先進諸国の一流企業の間に普及し、一般の中小企業、銀行、官公庁などにも採用・導入されるようになった。
CIのアイデンティティとは「同一(人物)であること。同一性」と訳される。したがってCIとは、企業が主体性をもち、いついかなるときにも同じイメージで見られる、ということを意味する。
情報量が爆発的に増加し、商品、企業間の差別性が喪失しつつある現代において、企業の存在をきわだたせ、好ましいイメージを統一的に演出するためのCIは、経営技法における一種の切札とも考えられるようになってきた。
企業イメージの形成要因とデザイン
CIの根本となっている考え方、つまり企業イメージをコントロールする原則は、つぎの三つである。
(1)視覚に訴えること
(2)感情に訴えること
(3)繰り返す事
つまり、視覚的なデザイン計画が企業イメージ計画のポイントになっている。
なぜ視覚的なデザインが中心となるか? それは、視覚的情報が、私たちが接する情報の80%を占めているからである。
私たちは情報のほとんどを目から受取っている。この傾向は、普段接するメディアの比率からも納得のものだと思う。
人間の五感は聴覚、視覚、味覚、嗅覚、触覚であるが、このうちとくに視覚的なもののウエイトが高い。
そこで企業から送り出す全情報を洗い直し、とくに視覚的な情報の中心を占めるベーシック・エレメントの再評価、再開発、システム化を行う。
すなわち、社名、シンボル・マーク、ブランド、コーポレート・カラーなどを整備することによって、全体的に統一のとれた、すぐれた視覚的イメージをつくり出すようにするものである。 一般的に企業イメージの構成要素は下図のように示される。
CIの実施方法
これからCIを実施導入しようとする企業は、まず現状を正確にとらえること、つまり事前の調査が必要になる。
CIのための事前調査は、外部環境調査と内部環境調査とに大きく区分できる。外部環境調査は、顧客、見込顧客、その他関係者一般を対象にしたイメージ調査が中心になる。これに対して、内部環境調査は社内への意識(風土)調査、それにアイテム・サーベイ、ヴィジュアル・オーディット(視覚的監査)などによって構成される。
これらの調査結果にもとづいて、
(1)どんなマーケティング戦略、イメージ戦略で臨むか
(2)情報戦略はいかにあるべきか
(3)既得評価の高いイメージをどのように持続し、どのようなイメージを払拭していくとよいか
(4)デザイン開発はどのような方向で、どんな方法手順で行うべきか
(5)同新しいデザインに求められるイメージと機能は何か
(6)デザイン計画に並行して、これを補完するプロジェクトは何か?また、その位置づけをどうするのか
(7)CI導入によって期待される成果または状態は何か
というトータルコンセプトを立案・策定する。
これにもとづいてCIの実施、推進計画およびデザインの開発適用計画を推進する。
koushiru事務局
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