IE適用技術から見た生産性の3側面

生産性というと非常に多くの指標がありますが、ここでは労働生産性に絞って話を進めます。

生産性はアウトプット/インプットで定義されるますが、アウトプットは生産量、インプットは投入資源(人、材料、設備、情報)です。しかし、生産性は結果指標であり、すべての生産活動を総合的に捉えた結果ですので、前期に比べて生産性が向上したといっても、何がよくて向上したのかは解析しないと分かりません。

そこで生産性を3つに分解して、生産性の高低の要因を戦略的に見える化することで、問題に対するアクションを取りやすくなります。

生産性の良否を決める3つの要素は、メソッド面、つまり作業方法・手順が効率的であるかが第1です。同業他社よりも効率のよくない作業方法・手順であれば、生産性で勝つことはできません。

第2は作業方法・手順を現場で実現しているかを見るパフォーマンス面です。パフォーマンスとは、作業遂行度と呼び、標準時間通りに作業ができれば、作業パフォーマンスは100%となります。昔からよく口にする能率の概念に近いものです。

第3はユーティライゼーションです。これは計画・管理面を表しており、メソッドとパフォーマンス意外の生産性向上阻害要因を全て含んでいます。

生産性はこの3つの掛け算で表されます。メソッドとパフォーマンスは、実際に生産している状態の生産性を見るものであり、まずはこの部分をベストの状態に持っていき、それを維持することが重要になります。

ここで分かりにくいのが、ユーティライゼーションです。

メソッドとパフォーマンス以外の生産性向上阻害要因、つまり計画管理面のまずさと定義しましたが、通常は稼働ロスで代用しています。計画や管理がまずいと、現場では稼働率が低下してくることが一般的なため、代用として稼働ロスとしています。

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